太平洋フェリーで仙台から苫小牧のフェリーターミナルを経て苫小牧駅までやって来た続きです。
苫小牧駅前にやって来ました。かなり昔に来た事があり懐かしく思った反面、駅前の商業施設ビルが閉館されていた為かやけに以前と比べて寂しく感じました。苫小牧市自体が淋しくなって来ているのか駅前だけの話なのかは分かりません。地方だと車社会なので幹線道路沿いに人の流れがあるのかもしれません。
前日に東京から宮城県まで青春18きっぷを使って移動しましたが苫小牧駅から再び青春18きっぷ旅の再開です。前日に宮城まで新幹線ではなく青春18きっぷで普通電車を乗り継いだのはJR北海道の普通列車を乗れるだけ乗ろうと思った為でした。乗車予定の列車を待っている間に駅ビル内も見て見ましたがテナントが入ってない区画もありやはり以前より寂しく感じました。
苫小牧から最初に乗車するのは日高本線です。今は鵡川駅までの短い区間となってしまいましたが折角苫小牧にいるので単純に鵡川駅まで行って帰ってをする事にしました。乗車出来るタイミングで乗車しないといつどうなるか分かりませんからね。
改札が始まりホームに行くとキハ40系が入線していました。JR北海道内でも年々キハ40系を見る事が少なくなっていてある意味貴重で列車旅が好きな人にとっては「当たり」の列車と言えるかもしれません。
一両編成の車内は予想通りお客さんは少なかったです。10人はいないくらいでした。午後の昼間の時間帯でしたので仕方ないかなと思いますが、通勤・通学時間帯はどの程度お客さんがいるのか気になりました。
定刻になり苫小牧駅を出発です。暫くは電化されている室蘭本線と並走します。
暫くすると苫小牧貨物駅の横を通りました。苫小牧港は物流の拠点ですがそこから北海道内はこの駅からと言う感じなのでしょうね。勿論その逆も然りでしょう。ここからなら札幌まで比較的近いので船にとっても鉄道にとっても何かと利便性が高い場所なのだと思います。
室蘭本線と分岐して右に進むと沿線の景色は一変しました。荒涼とした土地が続き所々で工場があると言う感じです。海にも比較的近いエリアでもあり人が住むに適した場所があまり無いのかもしれません。
最初の駅は勇払駅です。苫小牧駅から10キロ以上離れているので駅前の景色が一変してましたがここも苫小牧市のようです。遠くに集合団地がある為かここで降りる若者がいました。駅舎はホームから少し離れた場所にあり駅舎もそうですが全体的に周辺が寂しい感じでした。
勇払駅を出発して暫くすると勇払川を渡ります。その奥には海も見えました。この川を渡って暫くは人の気配が全くなくなりました。
反対側も見て見ましたが同じような景色でした。勇払駅でお客さんが降りて更に少なくなり車内は人の声はなく静かな空間でした。
人がいない代わりと言うと違うのかもしれませんが鹿の大群を途中で見ました。今まで何度も北海道に行ってエゾシカを見ていますがここまで一度に多くのエゾシカを見たのは初めてでした。北海道らしい光景ですがクマと同様に多過ぎて人の生活に影響を及ぼすような事が出て来ないと良いなと思いながら見てました。熊出没のニュースが毎日のように出てますが真剣に考える時が既に来ているのではと思います。
この辺りは工業地帯のようで所々で巨大な工場を見ました。土地はあるし海に近いしで色々と適した立地なのかなと思います。
暫くするとフェリーが見えました。新日本海フェリーです。私は太平洋フェリーでもっと苫小牧駅に近い所に埠頭がありましたがここにも埠頭があるとは大きなフェリーを見るまで知りませんでした。調べてみるとこの後停車する浜厚真駅から歩いて行けなくは無いですがその他の公共交通機関としては苫小牧ではなく南千歳駅からバスが埠頭まで出ているようです。勿論メインは運送会社のトラックなり自家用車のお客さんだと思います。船会社が違うと別のターミナルにするしか無いのでしょうか?地方はどんどんこれからコンパクトにしたほうが良いのではと思っているのでどちらかに統合した方が良いと思うのですが停泊する場所含めて色々難しい点があるのかもしれません。
厚真川を渡ります。先程のフェリーターミナルに次の浜厚真駅から歩く際にはこの橋を渡る必要があるので季節が悪いと歩くのは実質難しそうです。
そして浜厚真駅に到着です。北海道あるあるのコンテナの待合室でした。扉があるのか分かりかねますが寒さを凌げるのかなと言う感じです。駅の周りには家が少しはありましたがとても閑散としていてこの駅で乗り降りする人は車で送られて来るのかなと思いました。新日本海フェリーのHPにはこの駅から歩いて行けることは記載してませんが自販機もトイレも無さそうで確かにこの駅から歩いて埠頭まで行くのは現実的では無さそうです。ちなみにGoogle Mapで検索すると歩いて20分前後で行けるようです。この駅では下車する人はいませんでした。
浜厚真駅を出発して車両後方から景色を見ていました。北海道らしい長い直線の線路がこの辺りでも敷かれていました。周りは荒涼とした土地が広がりこの辺りでは何も無かったです。
終点の鵡川駅に向けてラストスパートって言う感じですが車内は静かで淡々とした空間が広がっていました。
途中からは道路と並行していて車が多く走っていました。苫小牧と鵡川駅方面の移動の需要が決してない訳ではなく単に移動の手段が車に移行している事が多く走っている車を見ると分かります。遅かれ早かれこの日高本線も役割を終える時が来ても不思議ではないなと思いました。
鵡川駅に近くなると住宅街となりました。今までなぜ日高本線が走っているのかなと言うくらい家がなかったのですが苫小牧からこの辺りのエリアの人との行き来を支えているのかなと景色を見て思いました。
そして終点の鵡川駅に到着です。寂しい感じのホームとキハ40系がやけに似合うと思うのは私だけでしょうか?
駅舎に近いホームは塞がれていて駅舎から遠いホームが使われていました。この先が様似方面でして自然災害による影響で運転出来なくなりそのまま廃線となってしまいました。改めて見ると様似駅まで乗車して見たかったですが仕方ないですね。
鵡川駅の駅舎です。今はバスターミナルとしての役割もあります。ここから旧様似駅までバスがあるようですが流石にそこまでは行けないので苫小牧に戻ります。駅前は人が見えず閑散としていました。列車から降りた数人のお客さんはどこに行ったのかなと言う感じでした。
建物内はストーブがあり暖かい場所で列車やバスを待つことが出来るようになっていました。勿論待っている人はいませんでした。
折り返しの列車に乗車して苫小牧に戻ります。私と同じように折り返し乗車のお客さんと地元客の3人が乗車していました。
浜厚真駅に到着すると予想外にお客さんが乗車して来ました。駅前に車が停まっていたのでやはり駅まで車で送って来たお客さんのようです。やはり地方ではそのような感じになりますね。
厚真川を渡ると遠くに工業地帯のような一角を見ることが出来ました。同じ区間でも走行する方向が異なると見える景色が違うんだなと感じました。
先程大量にエゾシカがいたエリアはどうなっているのか注視していたのですが同じように大群がいました。この辺りをある意味「縄張り」としているようです。それにしても多過ぎではと思うのですがこの大量のエゾシカが人の住むエリアに移動して来たら怖いなと思って見てしまいました。
スマホで改めて見ると日高”本線”としては短い区間となってしまいました。留萌本線を思い出してしまいました。留萌本線は完全に廃止になる日が既に決まっていますが日高本線は将来どうなるのでしょうか、、。
勇払駅に到着です。この駅でも地元のお客さんと思われる方々が乗車して来ました。車ではなく列車と言う事は苫小牧から先の乗車もするのかなと思いながら見てしまいました。
勇払駅を出発して暫くすると室蘭本線の線路と合流しました。この沿線になると家々があり街に出て来たなと言う感じになってきます。更に苫小牧方面に進むと巨大なイオンモールがあり駐車場には多くの車が停車してました。人の流れが駅前から郊外に移っているのがよく分かります。車が運転出来るうちはそれで良いと思うのですが運転出来なくなるとどのような生活になるのかなといつも思ってしまいます。買い物はネットで出来ても病院に行ったり他にも出かけたりと色々生きていれば生活の為に出かける事は出て来ると思います。
そして苫小牧駅に戻って来ました。予想はしてましたが日高本線の厳しい現実を見た気がします。しかしそれを踏まえて見れるうちに見る事が出来たのは本当に良かったと感じました。今後この路線がどうなって行くのかを考えると決して明るい未来があるとは思えないのでご興味ある方は乗車しておいた方が良いのかなと思います。
日高本線に乗車した時の動画も合わせてご覧下さい。この後の様子は次回で。