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(乗車記)JR北海道 函館本線「山線」の魅力を堪能 / H100系で行く長万部から小樽への旅

北海道の長万部で宿泊した続きです。

翌朝は早朝にチェックアウトして6時前に長万部駅にやって来ました。前夜から雨や風が強かったのとフェリーで北海道に上陸した事もあり、かなり体が疲れていました。翌朝起きれなかったらどうしようと少し弱気な面も出てましたが、予定通りに長万部駅に来れて良かったです。ある意味「この日一番の大仕事」を終えた感じさえしましたw。列車に乗車してしまえば後は時刻通りに移動するだけなので自分自身のせいではなく自然やその他の理由でその時の最善を判断するしかないですが、起きれるか否かは自分自身の問題です。加えてJR北海道の普通列車は極端に本数が少ないので乗り遅れたら次の列車に乗車すれば良いとは簡単になりません。

前日は苫小牧までフェリーで来て、日高本線を往復して苫小牧駅から南下して長万部駅に来ましたが、この日は函館本線下りの小樽行きに乗車して北上します。以前から通称「山線」に乗車して見たいなと思ってましたが、やはりネックは運行本数の少なさです。長万部からだと1日に4本しかなく、乗車する6時3分発を寝坊で逃すとなると次は午後の1時半まで列車が無いので、そもそも旅程が成り立たなくなります。なので寝坊しなくてこれてホッとしたところでした。

長万部駅の改札は駅員さんがいなかったので、ホームに入って後で青春18きっぷのスタンプを押して頂きました。青春18きっぷシーズンだったので念の為少し早めに来たのですがホームには待っている人は居ませんでした。

長くて2両編成かなと思ってホームで待っていると3両編成で入線して来ました。そして列車が入線してくる前後で女性二人組がホームに来ただけだったので、「混雑して下手したら座れないかも」と言う心配は皆無でした。放送によると途中の倶知安駅で後ろの1両が切り離されると言う事でした。ワンマンでの運転なので1両目はお客さんの出入りが途中から多いだろうなと思いましたので2両目の車両に座るようにしました。車両はキハ40系ではなくH100系の車両でした。

殆ど貸切状態の中で長万部駅を出発です。ざっとアプリで路線図を見ると次の主要駅と言えるニセコ駅まではこんな感じで行くのかなとこの時は思っていました。

暫くすると室蘭本線と分岐して左に進みます。

函館本線は函館駅から旭川駅までとなっていて、函館駅・長万部駅間、小樽駅・岩見沢駅間、岩見沢駅・旭川駅間は今でも主要幹線と言って良い位置付けですが、今回乗車する長万部駅・小樽駅間だけは主要路線ではなくローカル線の位置付けとなります。メイン路線は室蘭本線・千歳線の通称「海線」と呼ばれる長万部駅・札幌駅に移っており特急列車もそちらを走行します。

そして今回乗車する区間は通称「山線」と呼ばれており室蘭本線・千歳線のルートが出来る前は特急が走行してましたが線形が悪く、距離的には海線の方が長いにも関わらず速いので山線は役割を終えていく形となりました。北海道新幹線が札幌まで延伸されると今回乗車する長万部駅から小樽駅間は廃止になる予定でしてまだ先とはいえギリギリになるとゆっくり乗車して列車旅を楽しむという事もままならなくなってくるので乗車出来る時に乗車したいと思っていてそれが今回のタイミングとなりました。

最初の駅は二股駅です。JR北海道でよく見る貨車の待合室がありました。当然のようにお客さんの乗り降りはなく直ぐに出発しました。

続いての駅は黒松内駅です。驚いたのは運行本数が少ないのにホームに屋根がついていました。そして更に驚いたのは高校生らしき学生が数人乗車して来た事です。早朝の6時台の列車に乗車して通学は大変だなと思います。寝坊して乗り遅れたらどうなるのかとか、帰りは列車が適当な時間にあるのかなとか余計な心配をしてしまいました。

そしてこの後のいくつかの駅でも学生を中心としたお客さんが乗車してくるようになりました。

予想はしてましたが駅間が非常に長く人の気配が全くない所を通ります。家が少し見えて来たなと思ったら駅があると言う感じになります。山深いところに来ているのか長万部駅周辺より明らかに雪が積もっていました。運行本数が少なくても除雪をして線路を維持しないといけない訳であり過酷な環境でJR北海道の皆さんは働いて下さるおかげで安全に乗車出来るので感謝しかないですね。

途中の目名駅です。とても趣がある駅舎でホームも綺麗に維持されていました。

途中では尻別川沿いを暫く走行する区間があってとても景色が良かったです。今回山深い箇所を通る区間が多々ありましたが、エゾシカ等の野生動物で遅れるような事も無ければ、車内放送で「急停車にご注意下さい」等の放送も無かったので、エゾシカのいるエリアでは無さそうな感じでした。

倶知安駅に近くなると自動車と並走する区間があり、そのまま倶知安駅に向けて進むと家々が増えてくるような景色になりました。

そして主要駅となる倶知安駅に到着です。この駅で後ろ一両が切り離し作業の為に暫く停車するのでホームに出て見学しました。座り続けてもお尻や腰が痛くなるので体を伸ばす意味合いもあります。倶知安駅では北海道新幹線の駅が出来るのですがその影響か在来線のホームは綺麗になっていて作り直された感じでした。周りを見た感じだとこの時は新幹線工事中を思わせるような箇所はありませんでした。

小樽駅から倶知安駅止まりの列車が入線して来て多くのお客さんが降りて来ました。山線は将来廃止予定ですが長万部駅からこの倶知安駅までが特に利用が少ない区間でこの先は本数が増える区間となります。途中駅から乗車した学生や大人のお客さんの多くはここで下車して行きました。

倶知安駅前の様子も見てみました。気がつくといつの間にか雪が降っていてビックリです。そしてこの手前のニセコ駅では外国人が居ないなと思っていたらこの駅には多くいて小樽行きの列車に乗り込んで来ました。将来新幹線駅が出来るとニセコへのアクセスも便利になり多くのお客さんが見込まれるのでしょうね。在来線の駅舎は将来どうなるか分からないので短い時間でしたがしっかり見学して目に焼き付けておくようにしました。

倶知安駅を出発して暫くすると雪景色の中を列車は走行するようになりました。長万部駅から暫く走行した時の景色とは全く違っていて雪がこの辺りでは多かったです。

途中の然別駅です。山が近くに迫っていて雪が積もっており寒さが厳しそうな場所に見えました。この駅で倶知安駅方面の列車と行き違いがありました。やはり倶知安駅までは本数が多いんだなと感じました。

余市川を渡ります。どんよりした天気がこの辺りでは続き、これから先もっと雪が積もってくるのかなと少し先々を心配してしまう気候となっていました。

仁木駅に到着です。この次が余市駅ですがこの辺りではすっかり町中の景色となっていました。

そして余市駅に到着です。ニュースで余市駅から小樽駅間はお客さんが多いので新幹線開業時に廃止する事についてのニュースを見ましたが、確かに多くのお客さんが通勤時間帯だった事もありいました。電化されているのが小樽駅までで小樽駅からこの駅は非電化区間なので列車運用的に難しいのでしょうね。加えて昼間は利用者が少ないと思うので、永続的な交通手段の確保となると現実的な選択がバスと言う事なんですね。

余市駅の次は蘭島駅です。この駅から小樽市に入って来ました。いよいよ長い列車旅もフィナーレを迎えようとしています。

蘭島駅を出発して暫くすると海が見えました。前日は太平洋というか内浦湾の景色を見てましたが、とうとう反対側の日本海が見えるところまで来ました。少し感慨深い感じがしましたね。

最後の停車駅が塩谷駅です。蘭島駅と同じような駅舎でした。

小樽駅に近くなると更に家々が多くなり今までの景色から比較すると凄く都会的にさえ見えました。商業施設もチラホラ見えて人口が多いエリアに来たんだなと実感します。

そして小樽駅に到着です。3時間以上の長旅でしたが色々な景色を見る事が出来たのと、かなり以前からこの区間は乗車してみたいなと言う思いもあったので時間が短く感じました。体力的には余裕でしたね。

実際に将来この区間が廃止になる事が想定されているので乗車出来るうちに乗車しようと思って今回実行したのですが本当に良い経験となりました。これだけローカル線の風情があると旅行者としてはいつまでも残して欲しいなと思うのが人情ですが、運行・維持管理するには莫大な費用がかかる訳であり、時代の流れで列車の役目が終わってしまえば残念ながら廃線になるのも仕方ないかなと思います。複雑な気分ですがそれは外から来た観光客目線であり現実はそんな感傷的なものでは済みません、、。皆さんも乗車出来る時に是非乗車して「山線」を体感して欲しいですね。

ホームの奥には昭和の大スター・石原裕次郎さんがいました。今の若い人はご存知なのか分かりませんがいつまでも小樽駅を見守ってくれる事でしょう。

小樽駅改札を出て駅前の様子を見てみました。この駅に来たのはこの時が初めてではなく、コロナ禍前に何度か来たことがあります。その時は勿論札幌方面からです。駅前の様子を見ると昔と全く変わらない風景に見えました。駅を出て正面に海が見えるのが小樽の街のイメージ通りで味わいがある雰囲気です。

駅から直ぐの三角市場にやって来ました。朝から何も食べてなかったのでここで朝食とします。朝の9時台ですが多くの外国人含む観光客がいました。

お店が数多くあるので並んでいるお店は回避して直ぐに食事する事が出来そうなお店に入り、少し私にとっては奮発して「刺身定食・2100円」を注文して美味しく頂きました。朝から豪勢な朝食ですが旅行中は良いですよね。

食事後は再び小樽駅に戻って青春18きっぷ旅を続けますがその様子は次回で。

今回の「山線」区間を乗車した時の様子は動画にしてますので合わせてご覧下さい。

 

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