台湾の花蓮での二日目です。前日は花蓮駅から歩いて色々と散策をしていました。
二日目の朝です。雨は降ってはいませんが雲が多い天気となっていました。台北だと車やバイクが多くて少し騒がしいような気がしてそれも台北らしくて良いのですが、とても静かな朝でした。
この日は終日現地ツアーに参加します。
元々日本から予約していた現地ツアーは前日台湾入りしてから、参加者が少なくてキャンセルと言うメールが来ました。こちらがキャンセルする際には数日前に連絡しないといけないのに、事業者側は前日の昼でもメール一つでキャンセル出来てしまうので、とてもこちらとしては不利な立場です。
前日に台北から新自強号で花蓮に向かう際にチャットで対応して貰って別のツアーを紹介して貰い、何とか参加となった形です。2024年春の地震で台湾東部の有名観光スポット「太魯閣(タロコ)」は入れない形になっているので、どこを行くのかも良く分かってないのですが、どこへ行くにも初めてなので、「まぁいいか」と言うノリで参加しました。
このツアーの参加者は私含めて3名だったようですが、1名は急遽不参加になったようで参加者は私含めて二人となりました。もう一人は台湾に留学している韓国人でした。台湾で大学を卒業後に韓国に帰国するので、その前に色々な街を観光しているとの事でした。
と言う事で宿泊先のホテルでピックアップして貰い、韓国人の参加者もその後にピックアップしてワゴン車で最初の目的地に進みます。台湾東部は車もバイクも少ないのでこれならレンタカーを借りて自分でも行けるような気がしなくもなかったのですが、台湾でのレンタカー経験はまた別の機会に観光するエリアを踏まえて考えてみたいと思っています。
ドライバー兼ガイドさんは中国語しか喋れないようでして、留学生の韓国人が英語に変えて私に説明してくれるか、スマホの翻訳アプリで私は直接やりとりをしていました。翻訳アプリは旅行先では本当に便利ですよね。ガイドさんもスマホのアプリを使ったやり取りに慣れているようでした。
花蓮から暫くは南側をドライブしていました。観光エリアは花蓮県内になるようでした。
走行していくと家が少なくなり山に向かって進んでいるようでした。今まで台湾には台北、高雄、台中等の都会的な場所しか行った事が無かったので、台湾にもこのような大自然が広がるエリアがあるんだなと思いながら景色を見ていました。目に入ってくる景色がとても新鮮に映って飽きずに車窓からの眺めを見ていました。
最初にやって来たのが「鯉魚潭(りぎょたん)」と言う、台湾東部最大の淡水湖です。花蓮県寿豊郷と言う所に位置します。ローカルな例えではありますが、東京に住んでいる人が奥多摩湖へドライブしてやって来たと言うような感じでしたね。ここで暫く時間をとって参加者は思い思いに湖を見学となります。その間はドライバーさんにとっては休憩となります。
朝の9時台の為か、12月と言う時期的なものかは分かりませんが、人が少なくとても静かでして綺麗な空気を吸いながら歩き回っては、色々な角度から撮影をしたりして過ごしていました。少しドライブしてこのような場所に来れるのであれば、定期的に愛車で来て気分転換したくなりますね。
帰り際に気がついたのですが、花蓮駅から1日2本のバスがあるようです。しかし1日に2本だとここで降りて湖を見学して戻るしかないような気がするので、やはり現実的には車で来て観光となるのかと思います。
その後も長閑な景色を見ながらの移動です。日本でドライブしながら様々な観光場所を巡っているのと雰囲気は同じです。
次にやって来たのが「雲山水」です。台湾・花蓮県寿豊郷に位置する自然景観スポットで、特に「夢幻湖」と呼ばれる人工湖と、その周囲に広がる落羽松(ラクウショウ)の林が特徴です。花蓮市の中心部から約1時間半といった距離感となります。
こちらは有料の施設でして、敷地内を歩いて観光する事も出来ますが、自転車をレンタルするのが楽と言う事でもう一人の韓国人参加者が自転車をレンタルしたので、私もそれに合わせてレンタルして自転車で敷地内を見て回る事にしました。入場料が120台湾ドルで自転車のレンタルで80台湾ドルでした。
夢幻湖の湖面は光の加減もあるかと思いましたが、エメラルドグリーンのような色でとても幻想的な感じがしました。湖の周りには遊歩道が整備されているので、行けるところまでは自転車で、その後は歩いてと言う感じで効率よく見て回る事が出来ました。
夢幻湖の奥には水森林があり、水中に木が生えているような独特の空間があり、周りには誰もいなくて静かだったので少しミステリアスな感じさえしました。春から夏にかけては新緑の葉が美しく見える景色になるのでしょうね。
雲山水を出発して再び移動です。今度はランチするお店に行くと言う事でしたが、暫くは大自然の中を走行していて本当にお店があるのかなと言う景色が続いていました。
そして小さな町中に入って来たなと思ったら、ランチする場所に到着となりました。どの辺りに来ているのかは良く分かって無かったのですが、地元民が多く食事しているので美味しいのは間違い無さそうです。
注文したのは牛骨麺です。150台湾ドルでした。出汁が出ていて日本人でも美味しく食べれること間違いなしの一杯でした。地方のお店でどんなものが提供されるのかなと思っていたのですが、予想以上に美味しかったです。これは地元民が多くいるのも納得と言う感じです。
食事後も再び移動です。どの辺りを進んでいるのかは分かりませんでしたが、山が反対側にあったので南に向かっている事だけは分かりました。
途中では踏切も渡りました。この辺りのローカル駅に来る電車は余り無さそうな気がするのですが、実際はどうなのでしょう?!駅は無人駅なのかなとか色々と想像してしまいました。
続いてやって来たのが、林田山林場です。この辺りでは遂に雨が降ってしまいました。車の中に傘を準備してくれていたのでずぶ濡れになることは無かったです。有り難かったですね。
かつては台湾で四番目に大きな林場と言う事ですが、その跡地を改良して観光スポット化している場所です。日本統治時代にはこの辺り一体が大変賑わっていて、色々なお店が並んで人口も多かったようです。今はとても静かで賑わっていた名残のようなものは全くありません。
こちらが入口のようなので入って行きます。費用が掛かりそうな雰囲気もしますが、無料で見学する事が出来ます。
色々な施設内にアートがあったり、工芸品を売っているお土産のお店があったり、この辺りの歴史が展示されていたりしていました。
工芸品の展示をしている巨大なスペースがあり、凄くアートな工芸品も数多くありました。
敷地内はとても広く30分程度の時間しか無かった事もあり、色々な建屋に入っては見学して写真を撮ってと言う感じで慌ただしく過ごしていました。
林田山林場を後にして次の目的地に向けて進みます。相変わらず進行方向左側の景色は空が開けていて遠くに海があるんだろうなと言う感じの組織でした。右側を見ると山々が連なっていたので、南側に進んでいる事だけは分かりました。
続いてやって来たのが、花蓮観光製糖工場です。現在花蓮中部のレジャー観光発展の拠点になっていて構内には、日本統治時代築の和風の平屋宿舎が何列にもわたって整然と残っているとの事です。先程の林田山林場に続いて日本統治時代の名残がある観光スポット見学となりました。
製糖工場としては本格的な稼働はないのですが、アイスクリームを皆さん注文して食べていたので、アイス好きの私も真似して食べながら敷地内を見学していました。敷地内には昔の保管庫や砂糖を運ぶ機関車、貨車などもあり、以前は工場だったような建物や煙突もありましたが、それも生まれ変わって観光施設となっていました。
施設内には多くの台湾人がいたのですが、花蓮市内から来たのか或いは別のところから来たのかは気になりました。観光客風の人は居ないような感じに見えましたので、殆どが地元の方と思われます。人気スポットのようでした。
花蓮観光製糖工場を後にして山々の景色を見ながらのドライブとなりました。つまり北側(戻る方向)に向かう形に遂になりました。
途中では駅や線路が見える場所があり、線路と並行するような道路を走行しているようです。日本でもJRと国道が並行するような場所が多々ありますが、その構図は台湾でも同じようです。
次にやって来たのが、吉安慶修院です。1917年に日本人移民が心の安定を求めて、布教を兼ねて吉安に建設した「吉野布教所」が、現在の慶修院の前身とのことです。つまりここも日本統治時代からの観光場所となります。
中に入ると日本のお寺と全く変わらない光景を見る事となりました。それもそのはずで日本統治時代には、弘法大師、不動明王、毘沙門天王が祀られていたようです。そしてその外観は、高野山の伝統的な寺院様式を受け継いでいるとの事でして、それを調べて分かると納得と言う見た目です。日本のお寺と同様にお参りをしておきました。
弘法大師の像がありました。これだけ見たら日本のお寺を見学しているようです。
周りを取り囲むような感じで、歴史的価値のある88体の仏像が昔のままに再現されていました。四国88箇所の霊場回りは距離が長く大変です。日本統治時代にこの慶修院のように88箇所全ての本尊を纏めて安置する事で、簡略的な礼拝としていたようです。それぞれの像は綺麗に復元されていて、現地の方も多く見学していました。
境内には絵馬もありました。本当に日本のお寺そのものと言った感じでした。
吉安慶修院を後にして最後にやって来たのが、市内中心部にある花蓮将軍府1936です。こちらも日本統治時代からの場所をリノベーションした観光スポットとなっています。
日本統治時代に幹部クラスの日式住宅(日本家屋)の宿舎だった場所で、1936年に建てられたそうです。2005年に7棟の日本家屋が花蓮県の歴史的建造物に指定され、約12億円をかけリノベーションされて今に至っているようです。現在はレストラン、カフェ、雑貨店など16店舗が入居していて、多くの来場者で賑わっている。
振り返ると日本統治時代からの観光施設が多かったのですが、参加者の私が日本人だからと言うよりは、この辺りの観光スポットが日本統治時代からのものが多いと言う感じです。地元民の方が多くどこも居たので、この辺りからも親日が多いと言える理由なのかも知れません。
喉が渇いたのでコーヒーを飲みながら敷地内を散策しました。
敷地内は市内中心部にあるにも関わらず、この一帯はとても綺麗に整備されていて、散策しているだけでも気持ち良い場所です。観光時間が限られるので私はコーヒーしか頂きませんでしたが、気になるお店も多かったです。特に食事する事が出来るレストランですね。
その後は宿泊しているホテルまで送って行って貰ってツアーが終了となりました。戻った時にはすっかり夕方の時間になっていました。
全体的に日本人的には有名な場所では無かったかも知れませんが、色々と行った事がない場所を見て回れてとても良かったです。そして日本統治時代の名残がある場所が結構観光スポットとしてあるんだなと感じました。レンタカーが無いとこのように効率よく回れないので、手軽に観光して一回り出来るこの手の現地ツアーは利用次第でお得になるんだなと思いました。
部屋に戻って休憩しようと思ったのですが、ホテルの目の前が騒がしく何やらイベントが行われているようなので、少し覗いてみました。屋台と言うかフリーマーケットのような場所もありましたが、メインは子供向けのイベントのように見えました。クリスマスが近い時期でしたので、その関係かも知れません。とても長閑な光景でした。
部屋でその後に少し休憩して夜になりました。宿泊したホテルでは自転車をレンタルする事が出来るので、それならと前夜に行った東大門夜市に行ってみる事にしました。歩いてなら遠くて行く気にならず、近くで食事を済ませようかなと思ってましたが、自転車を借りれる事になれば話は別です。
車に気をつけながら殆ど一本道と言うこともあり、迷わず夜市に到着となりました。
この日も適当に歩いて気になったものを食事すると言う感じで明確に何を食べるのかは決めてなく、その場の雰囲気で食事する事にしました。お客さんはいましたが、それでもゆっくり見て回れるくらいの人でした。
この時にはスパゲッティとステーキが合わさったメニューと台湾でよく見るポテトタワーを食べました。どちらもイメージ通りで美味しく食べてお腹を満たす事が出来ました。その他にも台湾では定番のタピオカミルクティーも飲みながらブラブラと夜市を散策して過ごしていました。
この後は夜市から自転車でホテルに戻って長い1日が終わりました。疲れたけど充実した心地よい疲れでした。
翌日の様子は次回で。今回の様子を動画にしてますので合わせてご覧下さい。