米坂線で米沢駅から今泉駅までやって来た続きです。
今泉駅からは米坂線の代行バスを利用して坂町駅に向かいます。どんなバスかと思ってたのですが、観光用のバスでした。路線バスのようなものだと通学時には座れる人が少なく不便ということなのでしょうか。
バス車内は奥に一人座っている人がいましたが、ご覧の通り閑散としていました。トイレはバスには無いですが、代行バスで駅に停車していくので、運転手さんに言えば緊急の場合でも駅のトイレを使う事が出来るのかもしれませんが、一応トイレは今泉駅で済ませてから車内に入りました。
今泉駅を出発です。結局私含めて3名のお客さんでした。予想はしていましたがやはり少ないですね。
暫くは一般道を走行していました。見えている川は白川です。とても良い景色でした。
途中では米坂線の線路を渡る箇所がありましたが、当然線路は雪に覆われたままとなっています。通る列車はないと分かっていても、バスの運転手さんは一時停止して丁寧に運転していました。それにしても雪で覆われて全く見えない線路を見ると、ローカル線の現実を思い知らされます。全く列車が動かない状況にも関わらず、バスに乗車しているお客さんは数える程でして、山形県や沿線の首長はJRだけで復旧をと言っているニュースを見ましたが、民間会社でそれはないなと思いますし、何より地元の人が既にそっぽを向いているような気がします。
学生が、、、というような人は関係している人だけが言う事で、親は列車を使う訳ではないと思いますし、学生も卒業して就職すると米坂線を使うことはないでしょう。つまり長期的な話を誰もがしている訳ではなく、沿線の人口が減っているのも踏まえると、JRだけで復旧はありえないと感じます。
羽前椿駅に到着です。幹線道路からかなり入って駅前までバスは進んでいました。駅舎は立派な建物ですが人が全くいなくて閑散としていました。駅周辺は住宅街になっているようですが、乗り降りはありませんでした。
その後は国道113号に出てこれから暫くは基本的にこの国道を通ります。途中では道の駅があり多くの車が停車していて賑わっているようでした。人が全くいないと言う事ではなく、移動手段が車になっているので、駅前の閑散した様子と見比べると改めて列車の役割は終わっているのかなと感じてしまいます。
手ノ子駅に到着です。ここで一人降りてバス車内は二人となってしまいました。国道から少し入った場所に駅はあり、バスが入れそうなところは丁寧に駅前までバスは進んでいました。
バスは再び国道113号に戻り西に進みます。少しずつ山を登っていくような形になり、山深い場所に入って行きました。当日は雪が降ってなかったのですが、大雪の時は運転も大変だろうなと感じます。バスの運転手さんは凄いなといつも思います。
途中では長いトンネルを通る区間もありました。恐らくこの辺りでは米坂線もトンネルの連続なのではと思われます。
トンネルを越えると左に雪で覆われた線路が見えました。さぞかし米坂線は険しい区間なんだろうなとバスで通っているのを見るだけで感じます。逆に言えば車窓からの景色は良かったのかもしれませんが、それも今となっては見る事はできません。
雪の壁の先に「羽前沼沢」と書かれた駅名表示が少し見えました。羽前沼沢駅のバス停に到着です。今は雪で覆われていますが、駅までどうやって行くんだろうと思ったのと、そもそも家が少ないので駅もいるのかなと思ってしまうくらい周りは閑散としていました。バス停は国道沿いにあり国道の右側は山となっていて人が住むような場所でもありません。つまり見えている方角が集落のようなのですが、これだと厳しいなと思います。
国道113号は更に山に向かって登って進んでいき、山越えをするような形になります。線路が見えませんでしたが、米坂線も恐らくトンネル区間が連続しているような箇所なのかなと思われます。
国道沿いの伊佐領駅のバス停に到着すると、初めてお客さんが乗車して来ました。駅は国道の右手にありました。
続いて国道沿いに同じように松岡駅のバス停に停車しました。駅は右側に少し歩いた場所にあるようで、とてもバスでは入れないので国道沿いにバス停があるのは仕方ないと思います。
続いてこの辺りでは主要駅と思われる小国駅に到着です。この駅では数人のお客さんが乗車して来ましたが、それより驚いたのは駅員さんがいた事です。列車が動いてないので、不思議な感じですが、朝夕はお客さんがある程度いて、それに対応する為と言う事でしょうか。後はこの駅周辺の駅の維持管理なども担当されているのか、駅員さんがなぜいたのか気になってしまいました。
小国駅を出発しても相変わらず国道と米坂線は険しい区間となります。逆に言えば米坂線の車内からの景色は見どころが多かったのかもしれません。線路がそのまま放置された期間が長ければ長い程、現実的に復旧が難しくなるので、廃止にするか、沿線や県の支援をするのか、早く現実的な結論を出すべきなのではと感じます。
荒川を右に見ながら国道を進んで行きます。乗車時期は1月で路面は雪になっているのかなと思っていたのですが、終始雪は道路上には無かったです。温暖化の影響なのでしょうかね。
そしていよいよ新潟県に入りました。代行バスの旅もいよいよ後半戦といったところです。
新潟県に入って最初の駅は越後金丸駅です。「越後」と駅名に入ると新潟県に入ったんだなと実感しますが、バス停の周りを見ても駅らしいものが見えず、雪で覆われているのかと思いました。
バス停を出発して暫くすると駅舎が見えました。駅の向こうは木々があり人が住むような場所では無さそうですし、バスは国道を走っていて、国道の右には荒川があるので、どこに人がいるのかなと言うような場所に駅がありました。
国道と米坂線は荒川を左に右にと交差しながら進みます。山から少し標高が下がった為なのか、この辺りでは線路上に雪が残っていませんでした。
越後片貝駅に到着です。国道沿いに駅はあり、駅前にバスは停車しました。バスを待つには便利ですが、この駅周辺も家が少ししかなく、そもそもの利用者が少なそうです。
少しずつ山から降りて来て、家が増えてくるような感じになりました。
越後下関駅のバス停に到着です。駅はこの左側に少し入った場所にあるようです。バス停に到着する少し前には関川村役場があり、かなりの住宅街で人は多そうでしたが、バスの乗り降りはありませんでした。
最後のバス停・越後大島駅のバス停に到着です。駅は横の細い道を進むとあるようですが、バスが入れない為に国道沿いにバス停はありました。ちゃんと待合室も準備されてお客さんの事をケアしていますが、ここでも乗り降りはありませんでした。
そしてバスは坂町駅がある村上市内に入り、開けた景色になって来ました。それと同時に日差しが出て来ました。右に流れているのはずっと並行していた荒川です。
そして坂町駅に到着となりました。約1時間45分程の代行バスの旅でしたが、まず言いたいのは運転手さん、お疲れ様でした!という事です。自分の愛車でもそれだけの長時間集中して運転するのは結構大変です。仕事とはいえ途中で運転停車する事なく、ずっと休みなく運転するのは大変だと思いますし、この日は大丈夫でしたが雪の状況によっては滑り易い路面になることも考えられます。安全運転で坂町駅まで連れて行ってくれて感謝です。
肝心の乗客ですが、今泉駅からここまで乗り通したのは私含めて二人で、後は小国駅で数名のお客さんの乗り降りがあった以外は殆ど人の動きは無かったです。朝夕の通学時は別かもしれませんが、それも最初に記載したようにその時だけなら、高額な費用をかけて列車である必要は無いのかなと思いますし、バスの方が地元の人に向けたルートも作れるので、費用だけではなく柔軟さもあるのではと思います。
米坂線は長年復旧についての費用負担等を県や沿線の首長がJRに言っているようですが、口だけではなくお金も出して、現実を見てそれにあった対応をJRと一緒にするべきだと強く思います。色々と地方路線の現実を知った代行バスの旅であったのと同時に、景色が良かったのでシンプルにバス旅としても良かったと思います。運転手さんは大変だと思いますが、乗車している側としては時間が短く感じましたしね。
そして米坂線に限らず、地方のローカル線は自然災害でいつどうなるのか誰も先の事は分かりません。中々簡単に乗車する事は日程や費用面で難しいですが、乗れる時に乗車しないと乗れなくなってしまうと言う事も充分考えられるので、これからも乗車経験のないローカル線は乗車したいなと思った次第です。
坂町駅からの出発まで少し時間があったので、検索して駅近くの洋菓子店・ハッピーシュガーさんに来てスイーツをゲットしました。
お店はテイクアウト専用だったので、いちごのエクレアを購入して駅の待合室で美味しく頂きました。甘党なだけにこの手のスイーツは大好物でとても癒されましたね(笑)。
この後は村上駅から東京に向けて寄り道をしながら帰りますが、その様子は次回で。
ここまでの様子は動画にしていますので合わせてご覧下さい。