脇野沢港での乗船待ちとむつ湾フェリー「かけはし」への乗船
脇野沢港の食事処で美味しいヒラメ漬け丼(1,200円)を堪能した後は、フェリーの出港時間まで建物内の待合スペースでゆっくりと過ごしました。静かだった待合室ですが、しばらくするとツアーバスが到着し、なんと団体客の方々も一緒に乗船するようで、建物内は一気に賑やかになりました。一体どこを巡ってきたツアーなのか気になりましたが、この脇野沢〜蟹田間のフェリー航路を組み込んだ観光ツアーがあることにも驚かされました。
いよいよ乗船が始まります。予想通り、乗客のほとんどは車での乗船です。地元の方と思われる方も数名いらっしゃいましたが、大半は観光客のようでした。こうして次々と車両が乗り込んでいく様子を見ていると、「いつかゆっくり時間が取れるようになったら、青森県内だけでなく北海道も含めて、愛車でドライブ旅行をしながらフェリーで巡ってみたい」という思いが自然と湧いてきました。

脇野沢港に停泊するむつ湾フェリー「かけはし」
清潔で開放感あふれる「かけはし」の船内設備
今回乗船するむつ湾フェリー「かけはし」は、「青森の人を、旅を、感動をつなぐ」というキャッチコピーと可愛らしいイルカのイラストが描かれた白い船体が特徴的です。船内に入ってみると、青と白を基調とした非常に清潔でモダンな空間が広がっていました。

青い壁面に下北半島や海のデザインが描かれた清潔な船内客室
客室エリアには前方を向いた椅子席やボックスシートが並び、壁面には下北半島の山並みや海をイメージした鮮やかなアートが描かれています。さらに別のフロアやラウンジスペースへ移動すると、天井にねぶたや青森の文化をモチーフにしたカラフルなイラストが描かれたテーブル席エリアもあり、自動販売機や現在位置がわかるモニターも完備されていました。約1時間の船旅をゆったりと快適に過ごせる充実した設備です。

天井のアートが印象的なテーブル席ラウンジと自動販売機コーナー
脇野沢港を定時出港!潮風を感じるデッキからの絶景
船内を一通り見学した後は、外の展望デッキへと出てみました。当日は長袖の袖をまくって半袖にすると少し涼しさを感じるくらいの絶妙な気候で、潮風がとても心地よい最高のクルーズ日和でした。

展望デッキから見下ろす出港直後の脇野沢港と緑豊かな山並み
定刻通り、フェリーは静かに脇野沢港の岸壁を離れていきます。船尾のデッキから遠ざかっていく脇野沢の港町や防波堤、赤い灯台を眺めていると、船旅ならではの旅情が一気に高まります。

岸壁を離れ脇野沢の港町からゆっくりと出港していくフェリー
青い海面に白い航跡(ウェーキ)を長く描きながら、フェリーは陸奥湾の沖合へと進んでいきます。下北半島の緑深い山々が少しずつ小さくなっていく光景は、ずっと見ても感慨深いものがあります。

白い航跡を残しながら下北半島・脇野沢港を後にする船尾からの眺め
海上から実感する陸奥湾と青森県の広大さ
しばらく進んだところでスマートフォンのGoogleマップを開いてみると、現在地を示す青いドットが下北半島と津軽半島を結ぶ平舘海峡・陸奥湾のちょうど海上に浮かんでいました。もしこのむつ湾フェリーがなければ、青森市内を経由して陸路でぐるっと大回りしなければ両半島間を行き来できません。頭では「青森県は広い」と分かっていたつもりでしたが、こうして海の上から実際の距離感を目の当たりにすると、この航路がいかに重要なショートカットであるかを肌で実感できました。

スマートフォンのGoogleマップで確認した下北半島と津軽半島を結ぶ海上ルート
進行方向右側のデッキに立つと、右手には下北半島、左手にはこれから向かう津軽半島が同時に見渡せます。そしてその2つの半島の間のずっと遠く、水平線の彼方には、うっすらと陸地のような影が見えました。定かではありませんが、位置関係からして恐らく北海道の大地ではないかと思います。また、航路の途中では海上に浮かぶ特徴的な小島(鯛島)の姿も望むことができました。

進行方向右側のデッキから望む下北半島と水平線の彼方の景色
反対に、進行方向左側のデッキへと回ってみると、はるか遠くの海岸線に高い建物が集まっている青森市中心部と思われるエリアを確認することができました。青森市街地が想像以上に遠くに見え、反対側は下北半島や津軽半島がかなり先まで続いている様子から、「陸奥湾は思っていた以上に広大な海なのだな」と改めて驚かされました。なお、この脇野沢〜蟹田航路は冬季期間(例年11月上旬〜4月中旬頃)は運休となります。これほど穏やかで気持ちの良い海も、冬には厳しい気候へと一変するのだと感じさせる、貴重で思い出深いクルーズとなりました。

航行が進むにつれ、進行方向左側のデッキから津軽半島がハッキリと見えてきました
津軽半島・蟹田港への到着と港周辺の設備状況
約1時間の快適な船旅を終え、フェリーはいよいよ津軽半島の外ヶ浜町にある蟹田港へと近づいてきました。防波堤の向こうに港の施設が見えてきます。

防波堤の向こうに見えてきた津軽半島・蟹田港の風景
港の入口に立つ白い灯台を横目に、船はゆっくりと蟹田港のフェリーターミナルへと入港していきます。岸壁の奥には、高い塔のような形をした特徴的な建物(観瀾山公園海水浴場・フェリーターミナル隣接のトップマスト)がそびえ立っているのが目を引きます。

白い灯台を通過し展望塔が見える蟹田港へ入港する様子
蟹田港に着岸後、下船して改めてお世話になったむつ湾フェリー「かけはし」の姿を撮影しました。下北半島から津軽半島まで、海の上を快適に運んでくれた頼もしい船です。

蟹田港に無事到着し可動橋を接続したむつ湾フェリー「かけはし」
下船後、チケット売り場がある建物が高い塔のような構造になっていたため、上の展望台まで登ってみようと向かいましたが、残念ながら封鎖されていて立ち入ることができませんでした(営業終了間際の時間帯だったからなのか、常時閉鎖されているのかは不明です)。建物内のお土産売り場は営業していましたが、レストランはすでに営業を終了していました。フェリーの最終便に近い時間帯だったため仕方ありませんが、もし開いていればここで食事をしようかと思っていたので、そのまま徒歩でJR蟹田駅へと向かうことにしました。
蟹田港からJR蟹田駅へ徒歩20分の一本道散策
当然のように、フェリーを降りてから徒歩で移動している乗客は他に誰もいません。港の周辺は脇野沢港と同様にお店などは見当たらず、広々とした駐車場と静かな道路が広がっています。ここからJR蟹田駅までは徒歩で約20分ほどの距離です。

人影がなく広々とした蟹田港周辺の道路を蟹田駅へ向かって歩き始める
港から駅までのルートはほとんど一本道で、道に迷う心配はありません。道中は歩いている人の姿はまったくなく、蟹田川にかかる橋を渡りながら進んでいくと、昔ながらの古い建物や火の見櫓(外ヶ浜町消防団の格納庫)などが並び、まるで時間が止まったかのようなノスタルジックな雰囲気が漂っていました。一方で、車の通行はちょこちょことあり、静かな港町の日常を感じながらの散策となりました。

蟹田港からJR蟹田駅へ向かう途中にある白い欄干の橋と穏やかな街並み
電車の出発時刻までには少し余裕があったため、駅近くで食事ができる場所があればと期待していましたが、予想通り営業している飲食店は見当たりませんでした。そんな中、蟹田駅へ入る交差点(信号)の手前にコンビニの「デイリーヤマザキ蟹田店」を発見!ここで北海道産生クリームを使用した「あじわいミルクソフト」を購入し、甘いソフトクリームでひと息つくことができたのは本当に嬉しいオアシスでした。

蟹田駅手前のデイリーヤマザキで購入した「あじわいミルクソフト」で休憩
ソフトクリームでリフレッシュした後、無事にJR蟹田駅へと到着しました。JR蟹田駅を訪れること自体は今回が初めてではありませんが、こうして下北半島の脇野沢港からむつ湾フェリーで海を渡り、蟹田港から歩いて駅に辿り着いたのはもちろん初めての経験です。

蟹田港から徒歩約20分で到着した木造風の駅舎が印象的なJR蟹田駅
むつ湾フェリー(脇野沢〜蟹田)&徒歩移動の実用情報まとめ
- 運航区間:脇野沢港(むつ市)〜 蟹田港(外ヶ浜町)
- 就航船:むつ湾フェリー「かけはし」(船内に客室・ラウンジ・自動販売機・トイレ完備)
- 所要時間:約1時間(60分)
- 運航期間:例年4月中旬〜11月上旬頃(※冬季は運休)
- 蟹田港の設備:お土産売り場・レストランあり(※最終便到着時間帯などはレストランが営業終了している場合があるため要注意)
- 蟹田港〜JR蟹田駅のアクセス:徒歩約20分(ほぼ一本道で迷いにくいルート。駅手前にコンビニあり)
動画で船旅と街歩きの臨場感をチェック!
今回の脇野沢港からの出港シーンや、心地よい潮風を感じるデッキからの陸奥湾のパノラマ風景、そして蟹田港からJR蟹田駅まで実際に歩いて移動した様子は、YouTube動画にも詳しくまとめています。写真だけでは伝えきれないフェリーのエンジン音や波しぶき、穏やかな港町の空気感をぜひ動画全体を通してご覧いただき、船旅気分を味わってみてください!