大宮駅から山形新幹線「つばさ」で新庄へ、そして陸羽西線(奥の細道最上川ライン)を走破し、ついに終着の余目(あまるめ)駅へと辿り着きました。ここからは、本日の日帰り旅の最後である「復路」の様子をお届けします。
余目駅のホームに降り立つと、そこは一面の銀世界。

厳しい寒さの中、これまで運んでくれたキハ110系が雪をまといながら静かに佇んでいました。ローカル線ならではのこの旅情、いいですよね。
乗車予定の列車まで少し時間があるため、まずは駅の外に出てみることに。

余目駅の駅舎は、雪の中にどっしりと構えるどこか懐かしい佇まい。 お腹もペコペコということで、駅のすぐ目の前にある味のある暖簾が目を引く「かなめ食堂」さんにお邪魔しました。

これぞ地元の名店、という雰囲気が最高です。暖簾をくぐり、冷えた身体が求めたのは、名物の「カツ丼」。

見てください、このボリューム!甘辛いタレとトロトロの卵をまとった厚切りのカツが、ご飯の上にぎっしり。熱々のみそ汁とお漬物も五臓六腑に染み渡ります。やっぱり旅先でのローカル食堂巡りは外せません。
大満足のランチの後は、余目駅で切符を購入して次の列車に備えましたが、まだ1時間近く出発まであります。駅の近くにある木造風のモダンな施設(クラッセ)へ足を伸ばしてみました。

しんしんと雪が降る中、温かい館内へ。

ここで食後のコーヒーと香ばしいパイをいただきながら、ほっと一息。冷え切った身体が芯から温まっていく贅沢な時間です。電源もあったのでスマホやカメラの充電もさせて頂きました。とても助かりました。
そろそろ列車の時間が近づいてきたので、再び余目駅へと戻ります。雪の勢いはさらに増してきました。

そしてホームで待つこと数分。大雪の煙る中から、乗車する列車が姿を現しました。

きらきらうえつを継承し、新潟〜酒田・遊佐間を走る人気の観光列車、快速「海里(KAIRI)」です! 夕日と新雪をイメージしたという、グラデーションの効いた深みのある赤いボディが、白銀の世界に鮮やかに映え渡ります。
さっそく車内へと乗り込みます。

車窓から遠ざかる余目駅のホームを眺めながら、シートに身を委ねます。足元が広くてとても快適です。いよいよ新潟へ向けて出発です。
列車が走り出すと、窓の外には果てしなく広がる白銀の庄内平野。

大雪の中を、海里は力強く、そして驚くほどスムーズに滑るように駆け抜けていきます。

途中の鶴岡駅に停車。海里専用にデザインされたシックな赤ベースの駅名標が、窓越しに浮かび上がります。ホームにはこんもりと雪が積もっていますが、頼もしい激走を見せてくれます。
さらに南下を続けると、景色は少しずつ集落を抜け、川を渡り、ダイナミックな地形へと変化していきます。


そしてついに、車窓の右手に冬の「日本海」が姿を現しました! 今回の旅で最も楽しみにしていた時間帯。ちょうど日が暮れるギリギリのタイミング、いわゆる「ブルーアワー」の瞬間に滑り込みで間に合いました。

あつみ温泉駅を過ぎる頃、窓の外には、薄暗い青の世界に白い波頭が立つ、荒々しくも美しい冬の日本海がどこまでも広がっていました。雪の海岸線を並走する道路のヘッドライトと、静まり返る海のコントラストが本当に神秘的で、言葉を失うほどの絶景です。
やがて周囲は完全に夜の闇に包まれ、車窓の景色は見えなくなりました。ここからは「海里」の極上な車内空間を堪能する時間です。

夜の帳が下りた運転台は、数々の計器がSFチックに輝き、男心をくすぐります。2列+2列の配置のシートはゆったりとしており、和モダンの落ち着いた照明が格調高い雰囲気を演出しています。
外は大雪が続いていましたが、さすがはJR東日本の運行技術。快速「海里」は遅れることなく、定刻通りに終着の新潟駅へ滑り込みました!

新潟駅のホームに降り立つと、海里の車両にはこれまでの激闘を物語るかのように、たくさんの雪が付着していました。大雪の中、安全に連れてきてくれた列車と乗務員さんに心から感謝です。
ここからは最後のランナー、上越新幹線(E7系)に乗り換えて東京への帰京ルートに入ります。

スマートなフォルムの新幹線に乗り込み、落ち着いた赤いシートに腰掛けます。「あとは大宮・東京まで新幹線で快適にビューンと帰るだけ。なんて完璧な日帰りスケジュールなんだ!」と、この時はそう思っていました……。
しかし、旅にハプニングは付きもの。 なんと、この先で思わぬ「信号機トラブル」が発生。新幹線は途中でストップしてしまい、遅れに巻き込まれることになってしまったのです。
結局、自宅最寄り駅に到着したのは、当初の予定を大幅に過ぎたかなり遅い時間帯に。
最後の最後に新幹線の遅延という予想外のドラマが待っていましたが、振り返ってみれば、山形新幹線、陸羽西線、かなめ食堂のカツ丼、快速「海里」から見たブルーアワーの日本海、そして上越新幹線と、鉄分100%の超濃厚な1日を過ごすことができました。
これだから鉄道旅はやめられません!トラブルも含めて、忘れられない最高の日帰り山形・新潟縦断旅になりました。
今回の様子を動画にしていますので合わせてご覧下さい。